伝統的な素材、手法によりながら、海外からの顧客の要望にも対応できるホスピタリティを備えた旅館の離れを新築。
 
アプローチの踏切から大文字山を望む方向に、わずかに反り(ムクリ)をもった2つの瓦の切妻屋根を雁行させて配置。
かき落し土壁を結界とし、傾斜地に岩が点在し野趣に富む昔からの庭園を眼下に見渡す木造平屋一棟二室。
「懐石花壇」として営業している昭和初期建築の「旧閑院宮別邸」を中央に、南側に延びる平成元年建築の本館棟とは対称の北側に位置する。
 
耐火建築物の中に和を表現した本館棟とは対照的に、尾州檜の柱、神代杉の無垢板を随所に用いた本格的な数寄屋普譜を基本とする。
 
「花香」「残月」の二室それぞれに木製の内風呂と露天展望風呂を設置。「花香」の露天風呂は10tを超える巨岩を皮付のままくりぬき、湯出しも同様に自然石を加工した造りとしている。
 
冷暖房には、電気ヒートポンプによる床下への冷温風吹込方式を採用し、全館一様な温熱環境を作り出し、ヒートショックのない快適な客室空間を実現している。