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ogc 雄勝町総合文化会館

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主要用途:コンサートホール他
所在地 :秋田県雄勝郡雄勝町(現・湯沢市)
敷地面積:3,790.68㎡
延床面積:6,286.00㎡
規模  :地上4階 地下1階
構造  :鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造
設計担当:池田一 篠原志葉
共同設計:村田弘建築設計事務所
構造設計:K3構造設計室
設備設計:創設備設計事務所 永田音響設計
設計期間:1994.05-1994.11
施工期間:1994.12-1996.03

敷地は町役場前の駐車場。田園風景に囲まれた広々とした場所ではなく、
町民が利用し易くさまざまな偶然の出会いも期待される町の中心地が選ばれた。
その限られた敷地に町のシンボルとなる空間を実現するために、ホールを核とし 施設全体が敷地を貫く一体化した「交流のSTAGE」となるような計画をめざした。

平行する二つの壁の間に、ホワイエ、客席、舞台、パティオ、段状テラスを一列に配置し、舞台が谷となるこの領域全体を「STAGE」と名づけ、南北の山並みへと延 びるその軸線がタウンセンターにしっかりとした骨格を与えると同時に、ここをめぐ って多様な交流の場面が展開する構成となっている。

コンサートホールの音響条件を備えながらも演劇や集会などの多様な催しへの対応を 考慮し、400席のうち144席は可動式で段床迫機構をもち客席床が舞台床とフラットと なる。その際、舞台は15m角のアリーナとして円卓会議やダンスや囲碁大会の会場など この地域で利用頻度の高い利用形態に対応する場となる。

舞台背面の昇降式の遮音扉、ガラススクリーン、反射板の操作によって、ホールと外部 のパティオ、段上テラスとが連続し、外光を入れながらのホール利用や、室内外一体の 催しが可能となる。 この「STAGE」に沿って、ガラスの「コリドール」を配置する。雪国の長い冬には町道から役場への屋内化されたアプローチでもあり、何気なく立ち寄れるギャラリーとしての活用をめざす。ガラス面に沿って上っていく緩やかな階段は、ファサードに変化を与えながら2階のホワイエに人々を導く桟橋となる。

「ホワイエ」は、木のコンサートホール、ガラスのコリドールとは対照的に壁天井ともコンクリート打放し仕上げとし、音の反響の包まれながら、催しの余韻に浸りながら、ふと立ち止まれる場と考えた。ホワイエの上部、最上階に浮かぶ形で「展望閲覧室」を配置し、十分に陽光を取り入れた空間としホール屋上に連続させ、屋外での閲覧ができると同時にそこには空と山に向き合う「もうひとつのSTAGE」が実現された。 日々の利用が多い図書館をあえて最上階に位置づけることによって、ともすれば催しのあ るとき以外は人影が絶えてしまいがちなホールの周りを、毎日図書館に行きかう子供たちが通り抜け、全館に活気がいきわたる構成になったと考えている。