家のどこにいても家族がお互いに気配を感じられるような計画をめざし、閉じられた個室を繋げるのではなく、中央の吹抜けとその周りの耐震収納壁や手摺によって緩やかに空間を分節し、さまざまな機能に対応しています。
 
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所在地 神奈川県横浜市
主要用途 住宅
   
設計期間 2006年7月〜2007年7月
施工期間 2007年8月〜2008年2月
   
敷地面積 148.77 u 45.00    
延床面積 145.70 u 44.07    
             
規模 地下1階 地上2階
構造 木造 一部鉄筋コンクリート造
   
特徴 傾斜地、低温蓄熱全館暖房
   

 

 家のどこにいても家族がお互いに気配を感じられるような計画をめざし、閉じられた個室を繋げるのではなく、中央の吹抜けとその周りの耐震収納壁や手摺によって緩やかに空間を分節し、さまざまな機能に対応しています。

 

 1階エントランスのフロアには、吹抜けを挟んでストーブのあるリビングとダイニングキッチンを配置し、吹抜けを回遊するように行き来できる構成となっています。
2階は、木と鉄筋を組み合わせ斜線制限なりに変形させた梁によって、できるだけの天井高を確保しつつ動きのある空間とした子供たちのフロアです。2階への階段はエントランスから必ずリビングかダイニングを通るように設えてあります。将来的には三人の子供それぞれのスペースを収納間仕切り等で確保できるような計画ですが、当面は吹抜けを挟んで南側が日中の遊びや勉強のデイゾーン、北側が親も一緒に寝るナイトゾーンとして使われていく予定です。


 地下1階は、南東のパティオに面した浴室、エントランスから見通せるホールと主寝室ですが、当面はパティオと連続した一室のセカンドリビングとしてさまざまな場面を作り出していくことになります。

山手本通りからの急激な傾斜地という条件を逆手にとって、地下室として容積の割増しを受けると同時にオープンな庭を確保しました。完全な地下ではないために構造的にはより厳しい基準が適用されましたが、バランスのよい耐震壁の配置がむしろシンプルで安定した外観を生み、土地の傾斜に沿って変形した切妻屋根と風致地区の後退線に沿って折れ曲がったバルコニーの手すりが動きのある空間とその広がりを演出しています。

 

 この住宅を特徴付ける、2本の階段がずれて掛け渡された3層の吹抜け。家族の気配を行きわたらせ、光や風や声の通り道となるヴォイドを実現するために、低温蓄熱式床暖房による全館暖房システムを採用しました。必然的にRC造となる地下の天井躯体、すなわち1階の床スラブを蓄熱体として利用し、オール電化(電化上手・夜間時間)の安い料金時間に省エネ機器であるヒートポンプで温水を作り1階の床スラブに蓄熱し、日中はそこからの放射熱のみで地下から2階までを暖めるシステムです。

たまたま傾斜地に立地し、地下居室による容積率の緩和を受けつつ広く日差しを受けられる計画にできたこと、構造的に多くの耐震用の筋交いが必要な壁に断熱を充填するのではなく外張り断熱としたことなど、意匠、構造、設備を融合させつつ、温度のバリアフリー(快適性)と同時に経済性も実現しています。